サービス付き高齢者向け住宅いわゆるサ高住は郊外に立地するものが多く、そこで生活する高齢者が外出の機会を失い館内に籠りがちでした。
高齢であっても自ら街に出て趣味や運動を楽しむ元気な高齢者が増えてきている中、生活を楽しめることに重点を置いた高品質なサ高住を提供したいと考えていました。片や宇都宮市の中心市街地はドーナツ化による空き家が増えており、活用できないかと考えていました。
そんな折に宇都宮市の中心部で相続した土地を活用したいというお話を頂き計画が始まりました。
館はアクティブなシニアをターゲットとし、市内中心部の立地を生かして積極的に外へ出て生活を楽しめること。
閉塞的な施設ではなく、あくまでも生活の場である住宅であることにこだわり、多様な専用住戸の間取りと共用部での居場所を用意することや、内外装に木などの自然素材を使用することで、高齢者が生き生きと自分らしく暮らせる家をコンセプトとしました。
建物には耐火構造が求められたがRC造やS造より環境負荷の少ない木造を採用したいと考え、告示改正で使用可能になった木造耐火構造に挑戦しました。
告示仕様は在来工法の延長で施工できることや厚い石膏ボードによる被覆の高い遮音性で居住性を高めることがメリットとなりました。
内外装は施設感を排除するため無垢材のフローリングや造作材、地場産の大谷石を使用するなど風合いや手触り良いものを選択したほか、住戸内や受付の手摺をカウンターで兼用する等ディテールにもこだわっています。
個室は居住者のプライベート感を高めるためIOT機器による非接触のさりげない見守りを実現しました。
パブリックスペースには居住者が部屋から出たくなる仕掛けとして外の四季を感じられる落葉広葉樹の庭を各所に点在させ、
本棚と薪ストーブのあるラウンジ等を設けました。
割烹のように設えた食堂では地元の名店のシェフに腕を奮ってもらうなど運営面でも地域とのつながりを意識しました。
2021年完成
トレモンテ 一条陽明館|宇都宮市のサービス付き高齢者向け住宅はトレモンテ陽東、トレモンテ明日館へご相談下さい。 (tremonte-1.net)